Authors
冨岡寛治, 中山大地, 熊田陽一, 加藤滋雄
First author
冨岡寛治
Corresponding author
加藤滋雄
Publication Style
Journal name 化学工学論文集
Year
Volume, issue, pages
31, 5, 346-35
Abstract
蛍光物質(CF: carboxyfluorescein)を包括した抗原結合リポソームを調製し,リポソーム固相免疫測定(LISA: Liposome Immunosorbent Assay)およびリポソーム均相免疫測定(LILA: Liposome immune lysis Assay)を用いて競争的に抗原濃度を測定する方法を提案し,その検出特性に及ぼす種々の条件を検討した.抗原結合リポソーム調製時,活性化リポソームに抗原をカップリングする際漏出するCF量は,導入に用いた架橋試薬のスペーサー長が長くなるにしたがって増加した.抗原結合リポソームへの抗原の固定化量および測定系中に共存するリポソーム結合抗原濃度がLISA競争法の測定感度に影響を与えた.LISA競争法の検出限界抗原濃度は,標識抗体を用いるELISA法に比べて約100倍低く,検出可能濃度範囲は5桁以上におよんだ.LISA競争法は,B/F分離が一回だけですむため迅速,簡便な測定が行える.LILA競争法による抗原測定は,LILA法による抗体測定に比べて検出限界濃度は高いものの,均相競争法による抗原測定が可能であった.